ケルトの宗教 ドルイディズム

ドルイドというと樫の木の杖を持った魔法使いのような典型的なものを想像しがちなんだけど実際のところはそういったイメージを持った他民族からの誤解が後まで残ったものであるらしい。
樫の木は古代いまだ開墾されていないころの大森林地帯であったヨーロッパで最も多く分布していた「森の王」ということらしい*1カエサルガリア戦役のころでも深い森林は健在であったろう。そんな森林の中で部族社会を営むケルト民族を合理的なローマ人から見たとき誤解が生じ伝説化したのかもしれない。
またそういうドルイド像は近代以降には合理性に対するカウンターとしても作用したという。


この本で興味深かったのは著者の一人である鶴岡真弓という人が書いた部分で、主に文学においてどのようにドルイドが扱われているかを豊富な例で示してくれている。例にあげられている詩人や作家は名前を知っている程度なんだけど読んでいて楽しかった。

ケルトの宗教ドルイディズム

ケルトの宗教ドルイディズム

*1:「無限と有限」http://d.hatena.ne.jp/tuspico/20060518/p1の2章に書いてあった